東京を拠点に活動するビートメイカー BIG-8。
2019年にファーストアルバム『Lo-Fi SICK』を発表して以来、現在まで20作以上のEP/LPをリリースするほか、
ラッパーへの楽曲提供や、アパレルブランドのイメージムービーのBGMを担当するなど、その活動は多岐にわたる。

ビートメイクとの出会い
モックトゥ ミッドを履く彼が音楽を始めたきっかけは、10年以上前にさかのぼる。
「ヒップホップを初めて聞いたのは、高校生のとき。そのときは、特にラップをしようとは思っていなくて。
だけど、大学に入ってラップをやっていた友達と出会ったことで、僕も同じようにやりたくなってしまったんです。」
その後、友達とBIG-8氏の2MCに加え、DJとビートメイカーの4人でヒップホップクルーとして活動を開始。
しかし、そのクルーは4年ほどで解散してしまう。
「僕が22歳くらいのときに解散したのですが、ラップは辞めたくないと思って、1人で続けました。
それがきっかけで、自分でビートも作ってしまおうと思って。今使っている機材を買いました」
「ラップはあんまりいいと言われなかったけど、ビートはめっちゃカッコいいと言われることが多くて。
それに加えて、“ビートで世界的に有名になれば、自分の好きな歌い手とセッションできるかもしれない”と言われたこともあって、
じゃあこっち(ビートメイク)だけにしようかと」。
元々はラップを続けるために始めたビートメイクだったが、制作を重ねるなかで徐々にビートメイカーとしての頭角を表していく。

理想の制作スタジオ
そんな彼が楽曲制作を行うのは、茨城県某所にある自身のスタジオだ。
このスタジオは、理想のデザインを完成させるべく、友人や知り合いの協力を得て2023年の12月に完成したばかりだという。
ホワイト/ブラウンを基調としたウッディな雰囲気の部屋には、巨大なスピーカーやさまざまな機材はもちろん、
BIG-8氏のお気に入りのレコードやキャップ類などが並ぶ。
壁一面に並ぶレコードのなかでも一番のお気に入りは、マイケル・ジャクソンの『スリラー』。
どんなジャンルを好む人も聞き馴染める万能さや、
自信に満ち溢れたマイケルの姿を描いたジャケなどが気に入っているポイントだと教えてくれた。
「レコードは、都内で買うことが多いです。知り合いから買うパターンと譲ってもらうパターン、
レコード屋に自分で掘りに行くパターンの3つです。
ここに置いてあるのは、少ないです。数えていないけど、500〜600枚ぐらいは持っているんじゃないかな。」
東京に出ることが多いというBIG-8氏が、あえてこの場所で制作を行っている理由を伺った。
「音楽を作る場所は、正直どこでもよかったんです。
だけど、都会から離れて、空間も含め自由に作った方が気分的にいい音楽ができそうだというか。
都内だと、これほどしっかりした設備とデザインを再現することや、
好きなだけ音が出せるスタジオを作るのは難しそうだとも思ったことも理由の1つですね。」

愛車での息抜きの時間
現在は、月曜日から木曜日までを制作期間とし、ほとんどの時間を茨城県内で過ごしている彼。
長いときでは4〜5時間ほどスタジオに篭るときもあるという。
「基本、ずっとは音を聴いてられないんです。
なので、電話やメールを返すなどの作業は、車に乗って、近くの海に行ってやるといったことが多いですね。
海で気持ちを切り替えられたら、スタジオに戻ってまたやったり。そうやって気分を変えてます」。
一方で、週末はビートライブやDJに出演することが多く、愛車に乗って都内へ移動する。
この生活がきっかけで、車に興味を持ち始めたと話してくれた。予定のない休日は、車で出掛けることも増えてきたそうだ。
「最近、車にハマりすぎてしまって。CarServiceというクルーに仲のいい友人がいるので、その人たちと車でどこかに行くことが多いです。
行く場所はみんな任せで、僕は何も考えないでついていくっていうのをやってます(笑)」

目指す姿
そんな彼がこの先目指すのは、“少年”のような感覚で楽曲を出していくことだ。
自分の作りたいときに音楽を作って、発表したものをカッコいいねと言ってもらえる。
そのために、とにかく多くのアルバムを発表しるのはもちろん、ゆくゆくは海外での活動も視野に入れているという。
「音は言葉ではないから、言語は関係ないじゃないですか。
だから、きっと世界にも挑戦できると思うんです。そこをトライしていくのが、自分も飽きないかなと思っていて。
のんびりしたいので、活動場所はアメリカのLAがいいですね。最終的には世界的に大きい賞をとって、部屋に額縁に入れて飾りたいです」。

アーティスト情報
BIG-8
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